歯根膜|大分のインプラントは別府市の新港イトセ歯科

歯根膜の重要性

インプラントは、歯茎にチタン製の人工歯根である「インプラント体」を埋入することで、歯槽骨と結合する「オッセオインテグレーション」によって天然の歯のような噛み心地を得ることができます。しかし、天然の歯と大きく異なる点があるのです。それが、「歯根膜の有無」です。

歯根膜とは

天然の歯は歯槽骨に直接結合しているのではなく、「歯根膜」と呼ばれる厚さ約200μm のコラーゲン線維の豊富な結合組織によって歯槽骨内に固定されています。

歯根膜は歯根と歯槽骨の間に存在しており、歯槽骨に歯を植立する懸架組織で、「歯周靭帯」とも呼ばれます。この歯根膜は「歯根膜線維」の集合体で、歯槽頂から遊離歯肉(歯頚部を囲んでいる歯肉で、力を加えると動く部分)に向かっている「歯肉線維」、歯と歯の境目の歯頚部セメント質から歯槽頂に向かって走っている「歯槽頂線維」、歯槽頂線維のすぐ下方に見られ、セメント質から歯槽壁に水平に走っている「水平線維」、セメント質から歯槽壁に向っている線維で、歯に加わる咬合圧に耐えるように斜めに走っている「斜線維」、歯根の先端のセメント質から周囲の歯槽壁に向って放射状に走っている「根尖線維」歯根の周囲を取り囲むように走っている「輪走線維」、歯と歯の間を水平に走っており、隣合った歯を繋ぐ「歯間水平線維」などがあり、走行方向によって歯根膜繊維は分類されています。

これらの線維は、明確に分かれているのではなく、様々な方向を向く線維が一体となって混在しているのです。 また、歯と歯茎の間は強固に結合しているわけではなく、「生理的歯肉溝」という隙間があり、ものを噛む力が歯に加わり歯根膜にまで達すると、その圧力により「歯肉溝滲出液」という液が分泌されます。この液は車のウォッシャー液のように働くため、生理的歯肉溝内部に溜まった汚れを洗い流す自浄作用の働きを担っています。さらに歯根膜は、ものを噛むことで様々な方向から加わる歯への圧力を、分散・緩和する「クッション」のような役割をしており、歯槽骨に直接衝撃が伝わるのを防ぐ働きがあります。

 

歯根膜の有無によるインプラントと天然の歯の違い

咬合力の衝撃による歯槽骨への負担の違い

天然の歯は歯根膜があることで、ものを噛んだ時にかかる衝撃を分散・緩和することができるため、歯槽骨にかかる負担を軽減することができます。しかしインプラントの場合、歯根膜がないことから、噛んだ時の衝撃が直接歯槽骨に伝わってしまうのです。この場合、歯列全体の噛み合わせを調整することで、特定の歯だけに過剰な負担がかからないようにすることが可能です。インプラントを長く使用するためにも、噛み合わせは非常に重要です。

知覚神経による咬合力の調節の違い

歯根膜には咬合力を感知する知覚神経が通っており、固いものは固く、柔らかいものは柔らかく噛めるようになっています。そのため、天然の歯は過剰な力が加わった際に、反射的に力を緩めるという反応を起こします。しかし、インプラントは歯根膜が無いことから、強い力が加わった際に直接歯槽骨へ衝撃が伝わってしまうのです。この場合も、噛み合わせの調整が必要となりますが、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方はインプラントに負担を欠けてしまう危険性もありますので、就寝時にナイトガードを装着して軽減させることも大切です。

血流供給量の違い

歯根膜には血管も通っています。そのため、天然の歯は歯根膜、歯茎、歯槽骨の三方向から血流供給があるのですが、インプラントの場合は歯茎と歯槽骨の二方向しか血流供給がないので、天然の歯に比べて抵抗力が低いのです。また、歯と歯茎の隙間の歯周ポケット内部には好中球(細菌と戦う血液の成分の一つ)が存在しており、細菌が歯周ポケット内部に進入した場合に排除する役割を担っています。しかしインプラントの場合、血液供給が少ないことから好中球の出現も乏しくなり、細菌感染しやすく、細菌の塊である歯垢によって歯茎に炎症が起きてしまうと、悪化しやすいという傾向があります。

歯肉線維の付着する方向の違い

天然の歯と歯茎は「歯肉線維」で繋がっており、天然の歯の歯茎には歯面に対して水平・垂直方向に歯肉繊維が付着しているのですが、インプラントの場合は骨に対する垂直方向しか付着していません。そのため、剥がれやすく、一度炎症を起こしてしまい歯周病に罹患してしまうと進行しやすい特徴があります。歯周病菌が深部まで侵入して歯槽骨を溶かし続けることで、最終的にインプラントが脱落してしまう危険性もあります。

まとめ

インプラントは歯根膜がないため、様々なトラブルを引き起こしてしまう恐れがあります。しかし、ご自身でのセルフケアを正しくおこない、定期的に歯科医院でのメンテナンスを受けることで長期間快適に使用することも可能ですし、さらに天然の歯の寿命を長くすることにも繋がるのです。

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